体位管理 仰臥位 腹臥位 坐位 回復体位 千代田区介護タクシー

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体位管理要領

傷病者に適した体位(姿勢)を保つことによって、呼吸・循環機能を維持し、苦痛を和らげ、症状の悪化を防いだり、軽減することを目的とした手当

 

体位の種類と判断要領

1. 体位の種類

 

仰臥位

  • 背中を下にして寝かせた水平な体位
  • 心肺蘇生が必要なとき
  • 身体に多くの傷があるとき
  • 手足に傷があるとき
  • 症状が複合しているとき

 

回復体位
横向きに寝かせた体位

  • 反応はないが普段どおりの呼吸をしているとき
  • 嘔吐している、または予想されているとき

 

腹臥位
腹ばいで、顔を横に向かせた体位

  • 嘔吐するとき
  • 背部に傷があるとき

 

坐位
座った状態
心疾患、喘息などによる呼吸困難があるとき

 

 

体位選定上の判断要素
体位の選定に当たっては、傷病者が最も楽だと希望する姿勢を原則とする
主訴及び下記の症状を観察し、総合的に判断する
1. 意識の状態
2. 呼吸の状態
3. 顔色の状態
4. 皮膚体温の状態
5. 吐気・嘔吐の有無
6. 損傷(出血)の部位
7. 麻痺の有無
8. 痛みの有無
9. 医療処置継続の状態

 

 

体位管理上の留意事項

  • 傷病者がどのようにすれば楽になるかを聞きながら、苦痛を与えない安定した体位とする
  • 呼吸が楽にできているような体位とする
  • 受傷部位部位が安静になるような体位とする
  • 出血部が止血でき、全身の血液循環が障害されない体位とする

 

 

体位変換時の留意事項

  • 事前に傷病者に説明し、痛みや不安を与えないようにする
  • 家族、関係者に協力を求め、安静かつ安全に行う
  • 体位を変換することにより、二次的損傷をおこさないようにする
  • 容態が悪化したときは、早期に体位変換し応急手当てを実施する

 

 

保温
保温の原則
保温とは、人工的に熱を加えることではなく、傷病者自身の適正な体温を保つことをいう
保温は、保温性のよい材料を用いて、下に厚く、上に軽く傷病者に負担のかからないように行う

 

保温の対象となる状態
熱中症など体温が異常に上昇しているとき、又は本人が拒否したとき以外は、原則として毛布などを用いて保温をおこなう
特に悪寒、体温低下、ショック症状(顔貌蒼白、冷汗、脈拍微弱、浅く遠い呼吸、四肢冷汗など)を認めたときには積極的な保温が必要

 

 

保温実施上の留意事項
意識がある傷病者にたいしては、保温の効果を確認するとともに、元気付け、安心感を持たせるように配意する
傷病者が楽な体位で保温するとともに、過度の圧迫感を与えないようにする
濡れた衣類は脱がせ、身体が濡れているとき場合は、タオル等で水分を除去してから保温を行う
毛布等は傷病者の上に掛けるよりも、下に多く敷き接地面からの放熱を防ぐようにする
副子固定の手当、創傷処置を施した部位は、視認できようにしておく