傷病者に適した体位(姿勢)を保つことによって、呼吸・循環機能を維持し、苦痛を和らげ、症状の悪化を防いだり、軽減することを目的とした手当
1. 体位の種類
仰臥位
回復体位
横向きに寝かせた体位
腹臥位
腹ばいで、顔を横に向かせた体位
坐位
座った状態
心疾患、喘息などによる呼吸困難があるとき
体位選定上の判断要素
体位の選定に当たっては、傷病者が最も楽だと希望する姿勢を原則とする
主訴及び下記の症状を観察し、総合的に判断する
1. 意識の状態
2. 呼吸の状態
3. 顔色の状態
4. 皮膚体温の状態
5. 吐気・嘔吐の有無
6. 損傷(出血)の部位
7. 麻痺の有無
8. 痛みの有無
9. 医療処置継続の状態
体位管理上の留意事項
体位変換時の留意事項
保温
保温の原則
保温とは、人工的に熱を加えることではなく、傷病者自身の適正な体温を保つことをいう
保温は、保温性のよい材料を用いて、下に厚く、上に軽く傷病者に負担のかからないように行う
保温の対象となる状態
熱中症など体温が異常に上昇しているとき、又は本人が拒否したとき以外は、原則として毛布などを用いて保温をおこなう
特に悪寒、体温低下、ショック症状(顔貌蒼白、冷汗、脈拍微弱、浅く遠い呼吸、四肢冷汗など)を認めたときには積極的な保温が必要
保温実施上の留意事項
意識がある傷病者にたいしては、保温の効果を確認するとともに、元気付け、安心感を持たせるように配意する
傷病者が楽な体位で保温するとともに、過度の圧迫感を与えないようにする
濡れた衣類は脱がせ、身体が濡れているとき場合は、タオル等で水分を除去してから保温を行う
毛布等は傷病者の上に掛けるよりも、下に多く敷き接地面からの放熱を防ぐようにする
副子固定の手当、創傷処置を施した部位は、視認できようにしておく