介護タクシーでは、日々運転することがメインになってきてしまいます。介護自体をメインにしているときは、「介護とは」なんぞやなど考えもしなく、頑張って毎日をこなしていました。
ふとっ、初期のころ(ヘルパー2級)の教科書を見ると忘れてしまっていることも多々ありました。
やはり、介護タクシードライバー業務を行っていると記憶から薄れてしまい、定期的に見直さないとダメだと実感しています。
知り合いの介護タクシーの女性ドライバーが最近、介護初任者研修を受けたので教科書を見せていもらったので、忘れないうちに私の脳内を更新しておきます。
身体(体、からだ)、精神に障害があることにより日常生活に支障がある方。
その方に、「入浴、排せつ、食事」その他の介護を行うこと。
最初は身体介護の「入浴、排せつ、食事」、いわゆる三大介護がメインでした。
このころは業務(この行為を行うこと)が中心になっていました。
その後、介護される側(利用者さん)の本人の気持ちを重視する方向性になる。
三大介護から「心身に状況に応じた介護」になっていきます。
これは、その人らしく生活していくために、漠然と介護サービスをするのではなく、その方たち個々の身体、気持ちの状態に応じた内容になってきました。
現在では、「尊厳の保持、自立支援」がスローガンになっています。
利用者さんが尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活が遅れるようにすること。
また、いろいろな自治体や国のサービスもあります。
利用者さんをしっかりと観察し状況に応じた介護を目指すことが求められ、その人を知り、今だけではなく過去にさかのぼって知ることが大事とされています。
尊厳の保持。ここでいう尊厳とは、自分がしたいこと、このように思っていること、自分で選べることなどになります。
自立支援。できることはしてもらう、できないことはお手伝いすること。
利用者さんのことを知ることが大事
今の状況を踏まえて生きていて楽しいとQOLの向上につなげていく。
憲法13条:
”すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。”
すべての国民とは、介護が必要な人も、必要ではない人も区別なく個人として尊重されるということを示しています。
介護職は介護を必要としている人に人権意識をもって接することが重要です。
利用者一人ひとりが人権をもって生活をしていることを大事にする人権擁護の視点で介護にあたることも重要です。
憲法25条:
”すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。”
生存権(人間らしい生活を営むこと)を保証し権利擁護の責任が国にあると規定している。
医療や福祉などのサービスやそれらに関する制度は、国の責任で保証するべきであると規定している。
利用者がもっている色々な権利を養護し、確実に行使できるように支援することが介護職に課されています。
利用者の権利を侵害しないことも求められ、権利養護の視点をもつことも求められます。
利用者主体 | 利用者を一人の人、権利の主体者としてとらえ、その人にとって主体的な生活ができるように権利と意思を尊重する |
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家族の権利擁護 | 介護対象者を利用者だけに限定するのではなく、家族全員を権利擁護、福祉の対象としてとらえる |
権利侵害を防ぐ | 権利侵害を受けている人、または受けやすい環境にある人や家族に対して、権利が侵害されていることを認識できるように指導するとともに、自ら考える力が持てるように支援する |
多職種連携の中での介護職の役割 | 多くの専門家と連携をはかり、介護職が利用者と頻繁に接する専門家として、重い責任を負っている認識を高める |
養護者などから不適切な介護を受けても、利用者はNOノーと意思表示しにくいものです。
介護職は、利用者に代わって代弁を行う必要があります。
このような代弁行為をすることで利用者の利益をはかり、生活の質を向上させる取り組みをアドボカシーといいます。
尊厳とは
すべての人、一人ひとりが個人として尊重されることとも言えます。
介護における尊厳を法律では次のように規定しています。
障害者基本法第3条 | すべての障害者は、個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する |
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介護保険法第1条 | 加齢にともなって起因し要介護状態となり三大介護などの介護、機能訓練、看護、医療などを要する者に尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した・・・ |
利用者の多くは、お世話になります、面倒をかけてすみません、と申し訳ないという気持ちが強くあります。
この気持ちが強くなると、自分は周囲に面倒をかける人間になってしまったと感じ、生きていることへの意義が持てなくなってしまいます。
これは、人としての尊厳がなくなってしまった状態といえます。
介護職はその人らしく生きてもらう役割を実感してもらえるように支援することです。
人は誰もが世の役に立っている、家族や社会に必要とされていると実感できたときに、尊厳が保たれることになります。